超常現象情報研究センターでは2022年12月10日、外部有識者も交えて2022年の超常10大ニュースを選びました。2022年がどんな年だったかを振り返る際の参考にしていただければと思います。
2023年はどんな出来事があるでしょうか。なお、下記は事件・事例の発生順に並べたものであり、ランキング(順位)ではありません。
1 栃木県那須町の「殺生石」が割れているのが確認される
3月5日、九尾の狐伝説で知られる栃木県那須町湯本の国指定名勝「殺生石」が割れたことが判明。関係者によると数年前からひびが入っており、自然に割れたとみられる。3月10日付『東京新聞』朝刊「割れた!伝説の「殺生石」」に関連記事。『週刊朝日』9月9日号「コンセント抜いたか」も事件に触れる。
2 ロシアがウクライナに軍事侵攻、フェイクニュースや陰謀論が飛び交う
(1)2月24日、ロシアがウクライナに侵攻した後、「ウクライナにアメリカの生物兵器研究所がある」、「ウクライナはネオナチ」、「ブチャの虐殺は自作自演」などロシア支持の陰謀論が一部ネットに広がった。ディープステート陰謀論を説く馬淵睦夫元ウクライナ大使もこうした情報を信じているようだ。
(2)他方6月10日付『朝日新聞』朝刊「山口真一のメディア私評」によれば、ロシア政府や関連機関が意図的に流した偽情報だという。また8月4日付『産経新聞』朝刊「陰謀論発信源に共通点」によれば、これらの情報の発信源は安倍元総理銃撃自作自演説や、ワクチン陰謀論も投稿しており、投稿時間がロシアのサンクトペテルブルクのビジネスアワーに一致するという。
3 『仏教と神智学』著者・吉永進一氏死去
神智学や心霊主義について研究した宗教学者・吉永進一氏が3月31日死去。京都大学在学中は横山茂雄(稲生平太郎)らと「近代ピラミッド協会」を結成、1979年に刊行された『迷宮』(白馬書房)にも寄稿していた。
4 アメリカ議会下院のUFOに関する公聴会開催及びアメリカ航空宇宙局(NASA)の研究チーム立ち上げ
(1)5月17日、アメリカ下院諜報委員会で1969年以来53年ぶりのUFOに関する公聴会が開催された。スコット・ブレイ海軍情報部副長官は、昨年の国防総省の報告以来目撃は400件に増加したと説明し、新たなUFO映像も開示された。関連記事は以下のとおり。
5月14日付『東京新聞』朝刊「米下院50年ぶりUFO公聴会」、5月18日付『毎日新聞』夕刊「50年ぶり米でUFO公聴会」及び5月19日付『読売新聞』朝刊「米UFO公聴会50年ぶり」
(2)他方アメリカ航空宇宙局(NASA)は6月9日、UFOの研究に着手すると発表、10月24日より研究を開始した。研究チームは天体物理学者のデービッド・スパーゲル率いる16人で、約9ヵ月の研究後2023年半ばに結果を公表予定。6月10日付『読売新聞』夕刊「UFOにNASA挑む」、同日付『朝日新聞』夕刊「NASA、UFO研究チーム設置へ」、同日付『毎日新聞』夕刊「NASAにUFO研究組織」、同日付『東京新聞』夕刊「NASA、UFO研究チーム設置へ」及び10月26日付『東京新聞』夕刊「精鋭16人のチーム研究開始」に関連記事。
5 渡辺宙明氏死去
日本を代表するアニメ・特撮番組の作曲家・渡辺宙明氏が6月23日心不全のため死去。UFOや超能力にも関心があり、当法人社員であった他、「日本超心理学会」や「サイ科学会」の理事も務めた。テレビでは6月30日「クラシックTV」(NHKEテレ)及び7月16日付「題名のない音楽会」(テレビ朝日)が追悼番組を放映、12月2日にはNHKホールで追悼コンサートも開催された。他の関連記事は以下のとおり。
6月28日付『読売新聞』朝刊「渡辺宙明さん死去」、同日付『朝日新聞』朝刊「渡辺宙明さん死去」、同日付『日経新聞』朝刊「渡辺宙明さん死去」、同日付『産経新聞』朝刊「マジンガーZの音楽担当」、同日付『毎日新聞』朝刊「「マジンガーZ」音楽」、同日付『東京新聞』朝刊「渡辺宙明さん死去」及び6月29日付『東京新聞』朝刊「筆洗」、7月6日付『産経新聞』朝刊「渡辺先生は目標/70年現役、空前絶後」及び7月17日付『朝日新聞』朝刊「作曲家・渡辺宙明さんを悼む」
6 ジョージア・ガイドストーンが破壊される
1980年、アメリカのジョージア州都アトランタから東160キロほどのエルバートンに建てられたジョージア・ガイドストーンが7月6日未明、何者かに爆破された。ジョージア・ガイドストーンは高さ6メートルの4枚の石板に4つの古語と8つの現代語で人類保全のための10カ条が刻まれており、建造者も不明で、新世界秩序の象徴あるいはディープステートによる世界政府樹立へのマニフェストという見方もあった。
7 向島公園に未確認生物「ムッシー」が出現
兵庫県高砂市加古川の河口付近にある向島公園から、川面に浮かぶ未確認の物体が撮影され「ムッシー」と呼ばれた。テレビのニュース番組では何度か取り上げられた。似たような生物は2年前から目撃されており、12月27日放映「不思議体験ファイル 信じてください!」(フジテレビ)に登場した映像分析のスペシャリスト・相見薫は複数の生物が映ったものとし、その正体としてヌートリア、スナメリ、アシカ類、アカエイなども候補に挙がっている。
8 反ワクチン団体「神真都Q会」代表理事を逮捕
(1)大阪府警警備部は11月8日、イルミナティやワクチン陰謀論を唱える団体「神真都Q会」代表理事・村井大介容疑者を、生活保護費を不正受給したとして詐欺容疑で逮捕した。「神真都Q会」は4月7日、ワクチン接種を中止させる目的で渋谷区のクリニックに侵入、5月11日、建造物侵入の疑いで幹部のイチベイこと倉岡宏行容疑者らも逮捕されている。5月12日付『産経新聞』朝刊「ワクチン接種に反対、会場押し入る」
『週刊文春』4月21日号「ワクチン会場に侵入して逮捕「神真都Q」リーダーは元俳優」、5月12日付『産経新聞』朝刊「ワクチン接種に反対、会場押し入る」、『週刊ポスト』5月20日号「ワクチン会場を次々襲う日本版「Qアノン」本当の黒幕」に関連記事。
(2)12月11日、当法人主催のZoom講座「2022年の陰謀論を総括する!」において講師の雨宮純氏は、彼らの活動は陰謀論を訴えるよりもユーチューブを通じて金を稼ぐのが主目的だったのではないかと述べている。
(3)日本でもアメリカ発のディープステート陰謀論やワクチン陰謀論が一部で広まっており、2月には谷本誠一呉市市議がエア・ドゥの旅客機内でマスク着用を拒んで乗機を降ろされる事件が発生、馬淵睦夫元ウクライナ大使もこの種の陰謀論を主張している。7月の参議院選挙では一部の候補者が陰謀論を唱える参政党が1議席を獲得した。この種の陰謀論をめぐって不仲になり、離婚に至るケースも増えているようだ。他方ワクチンと不妊をめぐる情報のおよそ半分はわずか7つのアカウントから発信されているという調査結果もある。3月31日付『毎日新聞』夕刊に掲載された記事によると、筑波大学の原田隆之教授の調査によって、ワクチン接種をしないと答えたのは9%で、そのうち42%がデマを信じているとわかったという。
関連記事およびテレビ番組は以下のとおり。
1月5日付『毎日新聞』朝刊「オシント新時代」、『週刊女性』3月1日号「ノーマスク市議「コロナは“闇の組織”が仕掛けた」」、3月31日付『毎日新聞』夕刊「コロナ「陰謀論」家族壊れ」、5月3日付『朝日新聞』朝刊「沈黙のわけ」、8月5日放映「フェイクバスター」(NHK総合)。
9 ドイツでディープステートやQアノンを信じた極右によるクーデター計画発覚
12月、ドイツでクーデター計画が発覚。イタリアやオーストリアも含め130ヶ所が捜索され約50人が逮捕された。計画を企てたのは極右集団ライヒスビュルガーのメンバーで、1871年に成立したドイツ帝国を正統として現在のドイツ連邦共和国を認めず、クーデター後ハインリヒ13世を名乗る貴族の末裔を元首とする予定だった。12月9日付『産経新聞』朝刊「産経抄」、同日付『毎日新聞』朝刊「余録」、12月13日付『日経新聞』朝刊「ネットの陰謀論、極右共鳴」、12月21日放映「キャッチ!世界のトップニュース」(NHKBS1)及び『週刊文春』12月29日号「池上彰のそこからですか!?」に関連記事。
10 ナスカの地上絵新発見
12月8日、山形大学・坂井正人教授は、2019年6月~2020年2月までの調査の結果として、ナスカで新しい地上絵168点を発見したと発表した。調査にはAIやドローンを活用したという。12月9日付『日経新聞』夕刊「「ナスカ地上絵」168点発見」、同日付『東京新聞』夕刊「ナスカ地上絵168点発見」及び12月14日付『朝日新聞』夕刊「ナスカの地上絵ぞろぞろ」に関連記事。