12月6日開催第2回UFOコンベンション(仮)レポート

UFOコンベンション ニュースレター

 ある日、超常現象情報研究センター(通称:超常研)の本部から指令が飛んだ。「超常研が資金援助を行ったイベントが開催される。現地の撮影記録を頼む」と。

 指定された場所は、横浜にある『不良メイド喫茶・Bar黒月』。

 実は筆者、過去に別のイベントでこの“アジト”に潜入した経験があり、店内の勝手は心得ていた。「任せてください」と二つ返事で大量の撮影機材を担ぎ、意気揚々と横浜へ向かったのだが……。

 現地に到着して愕然とした。店が移転していたのである。

 迷宮のような道を彷徨い、ようやく辿り着いた新店舗は、以前とは異なり省スペース設計。ドアを開ければ、そこには20名ほどの猛者たちがすし詰め状態になっていた。

 私は自らの肩に食い込む大量の機材を見下ろし、そして満員の客席を見渡し、悟った。「ここに三脚を立てる場所など、物理的に存在しない」と。

 記録係としての私は、開始数秒で潔く敗北を認めた。「スマホでいいや」。今日、私は単なる一人の聴衆になる。そう腹を括ると、不思議と心は軽くなった。

 さて、肝心のイベントの内容である。イベント名は「第2回UFOコンベンション(仮)」と(仮)の文字が躍っているが、どうやら第100回を迎えてもこのままらしい。この「永遠の暫定感」がいかにもこの界隈らしいではないか。

 そして7名の豪華UFO研究家による熱の入ったプレゼンが始まったのだ。

 まず登壇したのはSpファイル友の会の秋月朗芳さん。

 秋月さんは「宇宙人、もしかして、そこまで賢くないのでは?」とのユニークな視点から問題提起をされていた。

 例えば、「地球に着いた途端に墜落」、「派手な電飾で夜空を飛び回りアピール」、「君の犬が欲しいだけだ」「チューリップに水をやりすぎている」といった、宇宙人の脈絡のないメッセージ等々は高性能な技術と、知性の低さを疑わせる行動。

 このパラドックスを、現代の大規模言語モデル(LLM)、すなわち宇宙人は、統制された一つの「超知性」ではなく多数の「薄い知性」が寄り集まって構成されている「チャットUAP」なのだと推論。

 ちなみに秋月さんは11月に「さみしいUFO」を上梓されており、Amazonで購入できます。

 続いてはオカルトライターで、超常現象情報研究所センターのメンバーでもあるおかゆうさん。

 あの有名な介良事件を調査されていて、捕獲されたUFOとされるものは実は「ゴミ」だったのではなかったのかという、衝撃の仮説が提示された。

 というのも、事件の2年前に発生した巨大台風で、付近の産業廃棄物処理場から、鍋や釜、時計などのゴミが田んぼに大量に流出。清掃作業は遅れ、その残骸を少年たちが拾ったのではないかと当時の新聞記事が映し出される。

 さらに、事件当時の生徒たちが修学旅行に行った際、UFOが彼らについてきて集合写真の生徒の顔の上に四角いUFOが重なって写り込んでいる様子が・・・驚きの情報のオンパレードでした。

 続いては、UFO現象・心霊現象研究家の島村ゆにさん。

 宇宙からのコンタクトを求めさまよう、自身の体験談を話されました。

 個人的な体験なので決して信じないようにと念を押され、ついにコンタクトしてきた存在の「本人確認」に成功した事例を披露!

 それはある日、実家近くのバス停から歩いていると、頭上から強烈な視線を感じ、白い点がスーッと移動していたので「UFOさん、もし本物だったら、わかるように飛んでください!」と念じると、白い点は突然真っ直ぐ、カクカク、真っ直ぐと、まるで意思があるかのような動きを披露したという!

 このような体験をしても「懐疑派かつ肯定派」という複雑な立ち位置で、今も宇宙人とのコンタクトを求め悩み続けているそうだ。

 そして次は甲府事件研究家として有名なザクレスホビーさん。

 自身のYoutubeチャンネル「エイリアンズロード」でも発表していない3つの事件が動画とともに報告された。

 一つ目は1977年の琵琶湖のアブダクション事件現場。

 事件は4人のレーサーが琵琶湖大橋を渡る途中で意識を失い、後に催眠療法で宇宙人に誘拐された様子が語られた事件で、あの矢追純一氏も取材しテレビ放送された事件。

 二つ目は1975年の大阪のコンタクティ光線治療の現場。

 宇宙人「コリズジミー」とコンタクトした人が、UFOから照射される光線(タキオン治療)で病人を治療したとされる事件。

 三つめは1976年の奈良県三郷町の宇宙人目撃現場。

 当時9歳の少年が学校からの帰宅後、山で宇宙人のようなものに遭遇し、その夜に再びUFOを目撃したとされる事件。

 すべて現地取材を行い調査されているが、詳細は「エイリアンズロード」で発表されたらぜひ確認していただきたい。

 続いては映画編集のため1時間半遅れて登場した、映画監督・UFO研究家の比嘉光太郎さん。

 比嘉さんの報告は、かつて宇宙友好協会(CBA)という団体に所属し、その精神的な活動を現在も続ける天宮清氏の取材ムービーだ。

 登場する天宮氏と妻のユキさんは、かつて所属していたUFO研究団体CBA(宇宙友好協会)で出会い結婚した熱心なUFO支持者で、二人の自宅やCBAがかつて北海道の山中に「空飛ぶピラミッド」と呼ばれる建造物を建て、儀式を行っていたことが資料とともに語られた。UFO記念日である6月24日に合わせて、自宅近くの広場で段ボール製の「空飛ぶピラミッド」の模型を祭壇として準備し儀式を行う様子など貴重な映像が映し出された。

 引き続き取材を行い、一般公開を目指すとのこと。楽しみだ。

 続いてはUFO研究家の重鎮である有江富夫さん。

 有江さんもまた宇宙友好協会(CBA)についての報告であるが内容が超詳細だ。

 CBAといえば松村雄亮。しかし彼だけでなく、彼の父親にも焦点を当てその謎に満ちた活動の真実をCBA年表に沿って約30分間も説明され、もはや一冊の本にして出版しようよとお願いしてもおかしくないほどの情報量だった。

 大トリは本イベントの主催者でもあるオオタケンさん。

 オオタさんは、UFOと酒の相性が良いという一見無関係なテーマを結びつける興味深い話を展開。

 自然志向やニューエイジといったヒッピー・ムーブメントの思想が、冷戦やベトナム戦争といった現実社会からの逃避として、UFOを違和感なく受け入れていった歴史的背景があると話され、ラベルにUFOが描かれているアメリカ・カリフォルニア州のワイナリー「ボニードゥーン(Bonny Doon)」のワイン「空飛ぶ葉巻」の実物を持参された。

 ネットで探したら見つけたのでぜひ飲んでみたいが、飲んだら飛ぶのか!?

 以上、登壇者たちが次々とマイクを握り熱く語る彼らは、懐疑派や否定派など入り乱れており、本来なら水と油のスタンスであるはずだ。

 不良メイド喫茶という舞台装置も相まって、血で血を洗う論争が勃発するかと身構えたが、期待は見事に裏切られた。そこにあったのは、スタンスの違いを超えた「知的な和気あいあい」だったのだ。

狭い空間に満ちる熱気と、意外なほどの平和な議論が繰り広げられ、筆者は早くも第3回の(仮)開催を切望してやまない。

文=超常研 映像部 信清

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