ピーター・コロシモ（Peter Kolosimo）、
1922～1984。本名ピエール・ドメニコ・コロシモ（Pier Domenico Colosimo）。イタリアの作家で、デニケンに先駆けて古代宇飛行士説関係の著作を多く残した。日本では「コロージモ」と表記されることもあるが、イタリアでも「コロシモ」らしい。
イタリアのモデナに生まれ、一生の大半をボルザノで過ごした。『ErichIl pianeta sconosciuto』(1959年、邦訳『未知なる惑星』）以来、地球上の不思議な現象を扱ったノンフィクション作品を発表し続け、1964年の『Terra senza tempo』（邦訳『時のない地球』以降は、各地の古代文明と異星人との関係をも指摘し始めた。『Non? terrestre』(1968年、邦訳『宇宙人の痕跡』)は1969年、イタリアで優れたノンフィクション作品に贈られるプレミオ・バンカレラ賞を受賞した。
その作品は日本語を含む60ヶ国語に訳され、イタリア先史研究協会のコーディネーターも務めた。1984年ミラノで死去した。
コロシモが超古代文明存在の証拠として列挙するものは、ストーンヘンジやギザの大ピラミッドなどの巨石建造物、イースター島のモアイ、ナスカの地上絵、エクアドルの円球石、バグダッド電池、タッシリ・ナジェールの岸壁画など、数年後スイスのエーリッヒ・フォン・デニケン(1935～)が取り上げたものとほとんど同じである。
【評価】
コロシモは、古代宇宙飛行士説の歴史を語る上でもっと注目されてよい人物である。日本への照会はデニケンに遅れるが、実際にはデニケンに先駆けて太古に宇宙人が地球を訪れた可能性唱えており、イギリスのレイモンド・ドレイク(1913～1989)と並んで西欧における古代宇宙飛行士説の先駆者と言える。
もっともコロシモの場合、デニケンと違ってあらゆるオーパーツを強引に異星人と結びつけるという手法はとらず、古代の巨人族やアトランティス、そして西欧人としては珍しくムー大陸なども取り上げていた。彼がその著書で取り上げたものは、デニケンがそっくり頂戴しているようだ。当然ながらコロシモは、デニケンに対し批判的であったと言われる。
【主な著作】
『Il pianeta sconosciuto』 (1959、邦訳『未知なる惑星』）
『 Terra senza tempo (1964、邦訳『時のない地球』）
『 Ombre sulle stelle』 (1966)
『 Non ? terrestre』 (1968、邦訳『宇宙人の痕跡』）
『 Astronavi sulla preistoria』 (1972、邦訳『先史への宇宙船』)
『 Guida al mondo dei sogni』 (1974)
『 Odissea stellare』 (1974）
『 Fratelli dell’infinito』 (1975)
『 Polvere d’inferno』 (1975)
『Civilt? del mistero』 (1978)
『Fiori di luna』 (1979)
『Viaggiatori del tempo』 (1981)
『I misteri dell’universo』 (1982,夫人のCaterina Kolosimoとの共著)
『Psicologia dell’eros』(1967)
『Il comportamento sessuale degli europei』(1971)
『Cittadini delle tenebre』(1977)
『Italia mistero cosmico』(1979)
『Io e l’indiano』(1979)
『 Viaggiatori del tempo』(1981)
『 Fronte del sole』(1982、夫人のCaterina Kolosimoとの共著)