アインシュタインの予言(The prophecy of Einstein)

 1922(大正11)年、物理学者のアルベルト・アインシュタインが来日した際残したとされる予言のこと。細部で異なるものがいくつか伝わるが、大体の内容は以下のとおり。

 このメッセージは東北大学で行われた講演で語られたとも、論壇誌『改造』に投稿されたとも、博士が帰国間際に日本での知人に託したとも言われるが、出典ははっきりしない。またアインシュタインに関する信頼できる資料にも見つからない。

 2005(平成17)年になって、ドイツ文学者中澤英雄は、この予言の原型が1928(昭和3)年に田中智学が著した『日本とは如何なる國ぞ』の一節であると指摘した。それによれば、海江田子爵が丸山作樂氏を伴れてウィーン大学教授ローレンツ・フォン・シュタインを訪れた際、丸山から日本の歴史を聞いたシュタインが以下のように述べたという。

『どうも日本といふ國は、舊い國だと聞いたから、これには何か立派な原因があるだらうと思ツて、これまで訪ねて來た日本の學者や政客等に就いてそれを訊ねても、誰も話してくれない、私の國にはお話し申す樣な史實はありませんとばかりで、謙遜ではあらうが、あまりに要領を得ないので、心ひそかに遺憾におもツて居たところ、今日うけたまはツて始めて宿年の疑ひを解いた。そんな立派な?史があればこそ東洋の君子國として、世界に比類のない、皇統連綿萬世一系の一大事蹟が保たれて居るのである、世界の中にどこか一ケ所ぐらゐ、爾ういふ國がなくてはならぬ、トいふわけは、今に世界の將來は、段々開けるだけ開け、揉むだけ揉んだ最後が、必ず爭ひに疲れて、きツと世界的平和を要求する時が來るに相違ない。さういふ場合に、假りに世界各國が聚ツて其方法を議するとして、それには一つの世界的盟主をあげようとなツたとする、扨ていかなる國を推して「世界の盟主」とするかとなると、武力や金力では、足元から爭ひが伴う、さういふ時に一番無難にすべてが心服するのは、この世の中で一番古い貴い家といふことになる、あらゆる國々の?史に超越した古さと貴さを有ツたものが、だれも爭ひ得ない世界的長者といふことになる、そういふものが此の世の中に一つなければ世界の紛亂は永久に治めるよすがゞない。果して今日本の史實を聞いて、天は人類のためにかういふ國を造ツて置いたものだといふことを確め得た』

 しかしシュタインの発言にもこのようなものは見あたらず、田中がシュタインに寄託して述べた言葉と思われる。

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