ピーター・コステロ

湖底怪獣

ピーター・コステロ(Peter Costello、1945~。アイルランドの未知動物学者であるが、1979年以降は英文学者として活動、その傍らアイルランドの宗教紙「the Irish Catholic」にも寄稿している。
 ダブリンに生まれる。ダブリンの中学校卒業後、父親が建築学教授としてアメリカのミシガン州に赴任したため同行し、ミシガン大学で人類学、次いで英文学を学ぶ。未知動物学に関心を持ったのは1962年、BBCの「パノラマ」という番組でディンスディール・フィルムを見たのが契機で、関係書を読み漁る中でベルナール・ユーヴェルマンの『Onthe Track of Unknown Animals』(邦訳『未知の動物を求めて』)を読み、ユーヴェルマンとも親交を深める。学生時代から湖水に住む怪獣について研究を続け、1970年以降はロンドンに住んで、アイルランドやスコットランド、ウェールズにある湖を実際に訪れる。その成果は1974年に『InSearch of Lake Monsters』(邦訳『湖底怪獣』)として出版され、フランス語版にはユーヴェルマンが序文を書いている。
 『湖底怪獣』は、世界各地の湖沼における怪獣の目撃例を集め、コステロ自身はその正体として、首の長い水棲哺乳類という説を唱えた。しかしその後はイェイツやジュール・ヴェルヌなど作家論を多数著す一方、アイルランドの宗教紙「アイリッシュ・カトリック」に寄稿するようになり、未知動物学関係書は、1979年の『TheMagic Zoo』を最後に途絶えている。しかし、イギリスの超常雑誌「Fortean Times」誌第305号でローレン・コールマンが行ったインタビューでは、以前から『BeastsBeyond Belief』と題した新作を構想中であるが、他の仕事が忙しくてなかなかとりかかれないとのことである。
 主な著書は以下の通り。
In Search of Lake Monsters (Garnstone Press, 1974)
In Search of Lake Monsters (Panther, 1975, paperback)
Heart Grown Brutal: Irish Revolution in Literature from Parnell to the Death of Yeats, 1891-1939 (Gill & Macmillan, 1977)
Jules Verne: Inventor of Science Fiction (Hodder & Stoughton, 1978)
The Magic Zoo?: The Natural History of Fabulous Animals, Including Dragons, Mermaids, Unicorns and Centaurs (St. Martin’s Press, 1979)
James Joyce (Gill & Macmillan, 1980)
Leopold Bloom: A Biography (Gill & Macmillan, 1981)
Jules Verne: Inventor of Science Fiction (Scribner, 1983, paperback)
Dublin Churches (Gill & Macmillan, 1989)
Clongowes Wood: A History of Clongowes Wood College, 1814-1989 (Gill & Macmillan, 1989)
The Real World of Sherlock Holmes (Robinsonm 1991)
The Life of Leopold Bloom: A Novel (Roberts Rinehartm 1992)
The very heart of the city: The story of Denis Guiney and Clerys (Clery and Co, 1992)
Dublin Literary Pub Crawl (A.& A.Farmarm 1996)
Dublin Castle in the life of the Irish Nation (Merlinm 1998)
Conan Doyle: Detective (Robinson Publishing, 2006) Denis Guiney (UCD, 2008)

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